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気の向くまま

まったりオタクライフの日々

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思い浮かんだから書いてみた

桃花扇ヒロインは官吏の道を突っ走っておりますが、
もし愛に生きたらどうなるかな、と考えてみました。


なかなか思い浮かびませんでした(笑)


あんまり、愛だの恋だのと言わない設定にしちゃったからなあ。
BASARAのKGが聞いたら、それは勿体ないよ、と言われそうです。

というわけで、頑張って桃花扇ヒロインで書いてみました。
意味不明になっちゃったけど(汗)
お相手は絳攸で、デフォルト名は「早苗」です。



絳攸の頭を、早苗はそっと抱きしめた。
早苗の髪に挿された紅色の簪がしゃらり、と揺れる。

「早苗、俺は……。」

言い淀む絳攸の唇に早苗の人差し指が当てられた。
それだけで絳攸は何も言えなくなってしまう。
そして大丈夫と言わんばかりに、早苗は絳攸の頭を
自分の胸に抱き込んだ。

膝立ちしている早苗の腰に絳攸は腕を回して
きつく抱きしめた。早苗の衣に焚きしめられている香の薫りが
絳攸の鼻腔を擽る。

いつもそうだ。絳攸が何か迷うと、早苗は何も言わずに
そっと絳攸を抱きしめる。まるで母のように優しく。
涙を流す絳攸の顔を、月にさえ見せぬように衣の袂で
絳攸を覆ってしまうのだ。

そんな早苗に縋り付く絳攸はさながら子供のようで。
まるで守られているかのような錯覚さえ絳攸に感じさせる。

「早苗……。」

名を呼べば、それが合図のように絳攸の額にそっと早苗の唇が
落とされた。絳攸が強請るように顔を上げれば、今度は頬に落とされる。
絳攸の手のひらが早苗の後頭部に当てられ、二人の唇がゆっくりと
重なる。幾度も、繰り返し、何度も、そっと。

溜息と共に吐き出される艶やかな息が二人を包む。
絳攸の唇が早苗の口端に落とされ、滑るように顎を撫でた。
ぴくりと早苗の肩が揺れるが、絳攸を抱きしめる腕を放しはしない。
その手は、絳攸に何があろうと離れないと言っているようで。

例え、絳攸の手から何もかもが滑り落ちても
早苗という存在がなくなることは決してない。
たくさんの選択肢の中から、早苗は絳攸を選んだのだ。絳攸だけを。

絳攸に愛を紡ぐ為だけに今、早苗は生きているのだ。
藍家を敵に回した以上、早苗は紅家から出ることはかなわない。
紅家の邸奥深くに隠された籠の鳥として生きることを承知で
早苗は絳攸を選んだのだ。

その全てをかけて、絳攸だけを愛する為に―――――。


夜毎、囁かれる「愛している」という言葉はどちらのものか。
それさえわからぬほど、心で、眼で、言葉で二人は想いを示しあう。

「愛している。」

鳥籠にとらわれている金糸雀の如く、二人以外に聞かれることのない
その言葉は、ゆっくりと部屋の中にとけていった。


<あとがき>
甘い話ってどうやって書けばいいんですかね(苦笑)
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